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2008年12月31日

経済・財政問題の本質を探る:10の追求テーマ


本ブログでは、膨張し続ける財政赤字の根本原因、激変する国内外経済の背後構造を、多面的データと論理的思考に基づいて追求し、市場の行方と在るべき社会の姿を考えてゆきます。

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2008年05月10日

ロシアの住宅ローン担保証券が金融世界を救う?

世界金融市場にアメリカ発のサブプライムローン問題の収拾がついていない中、ロシアの投資銀行が海外でRMBS(Retail Mortgage Backed Securities=住宅ローン担保証券)のルーブル建てユーロ債を発行すると報じられた。 
 
上記は井本沙織氏(大和総研産業コンサルティング部主任研究員)からの大変興味深い記事のプロローグです。 
 
井本沙織のロシア見聞録・第13回
リンク 
 
原油価格が100ドルという歴史的なハードルを越える石油高騰の追い風で高成長を続けるロシアにおいて、決して大手とはいえない民間銀行が打ち出した冒険の背景には何があるのか? 
 
①「証券化商品」と聞くだけでも拒絶反応を起こす今日の市況において、この試みの意味は。
②今回のユーロ債はドル建てではなくルーブル建ての初国際市場デビューの背景は。
③高くても不動産を購入する気にさせる「何か」とは。 
 
このような疑問に対して井本氏は次のように述べています。 
 

ロシア第28位の銀行の勇気


3月末にロシアのメディアは、キット・フィナンス<КИТ Финанс>投資銀行は、70億ルーブル規模(350億円相当)のRMBSユーロ債を海外で発行すると報じた(ロシアの有力紙コメルサント電子版、2008.03.26)。ロシアの住宅ローンを元資産にした債券は、2006年に初めて海外で起債されたが、それはドル建ての証券であった。今回のユーロ債はこの類の債券としてはルーブル建てで初めて国際市場にデビューする証券となる。さらに注目すべき点はこの発行体がロシア28位の、決して大手とはいえない民間銀行なのである。 
 
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首都モスクワ(写真上)やサンクトペテルブルグ(同下)では建設ラッシュに沸いている 
 
 予定金額は70億ルーブル、償還期限は1年間で償還は09年4月である。このRMBSの発行部分は、2つの階層(トランシェ)に分けられており、優先部分は全体の金額の90%を占め、S&PからBBB+の格付けを付与されている。もう一方の部分はBBであり、一般的に欧米で発行される証券化商品と比較しては低い格付けでの発行に留まる予定である。その代わり、高いクーポン・レート(表面利率)が魅力的であり、BBB+のトランシェで8.75%、BBの部分は9.0%(それぞれルーブル建の固定利付き)の水準となっている。 
 
 このRMBS起債は一見特別なことではないが、今のサブプライム問題一色の金融市場から見て、住宅ローンの証券化には適切な時期でないことは誰の目から見ても明らかである。だからなぜこの銀行は、しかもこの時期に、ロシアでは初(ユーロ市場での証券化商品)のディールを施そうとしているのかが非常に気掛かりとなるところである。 
 
 その答えとしては、08年に入り、たった2カ月で2桁上昇した不動産価格及び未だに続く2桁の高インフレにある。近年、住宅ローンに関する需要は特に堅調であり、07年には倍増となった。また08年に再び勢いを回復した不動産投資は「インフレ・ヘッジ」の色彩を持っており、不動産投資促進の面においては、住宅ローン制度普及の役割が大きい。
 
 
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2008年05月08日

基軸通貨ポンドは衰退、されどロンドンは金融覇権の一翼を担っている

世界の基軸通貨の成立、大英帝国ポンドから米国ドルへの転換については、るいネットの以下の投稿にまとまっています。 
 
中央銀行の系譜と世界初の為替銀行 
リンク 
 
【基軸通貨】英国ポンドと米国ドル比較 ~基軸通貨化から四半世紀で転換期!?~
リンク 
 
英国基軸通貨ポンドの衰退過程
リンク 
 
金融覇権の都市移動でみると、ジェノバ、ヴェネチア、アムステルダム、ロンドン(シティ・オブ・ロンドン)、ニューヨーク(ウォールストリート)と移っている。 
 
現代の金融ニュースには、ジェノバ、ヴェネチア、アムステルダムは余り登場しないが、ロンドンはNYと並ぶ頻度で登場する。 
 
国際金融(金貸し)の本拠地としては、ロンドンは依然として、NYと並ぶ拠点となっている。そして、サッチャーの新自由主義政策により、英国が「金融立国」ともいえる「復興」を果たしている。 
 
その様相を、野村総合研究所の近藤さんのレポートから紹介してみます。 
 
①英国のGDPに占める金融業の比率は、2006年で9.4%。2001年以降、継続的に拡大しており、低落傾向にある製造業とは対照的である。
②法律、会計となどの金融業に近い専門サービスを加えると、GDPに占める比率は製造業を逆転している。
③不動産業を含めた雇用数は、2006年で64万人、全雇用数の20.5%を占めている。
④2000年から2006年への雇用者増加数185万人のうち、金融・不動産業が88万人。雇用者増加の半分を占めている。
 (③とは整合していませんが、近藤さんのレポートではそうなっています。)
⑤金融業を中心にしたこのようなプロフェッショナル産業は、英国にとってまさに基幹産業である。
⑥英国は、対外資産はマイナスであるが、投資収益はプラスである。
⑦海外から預金を集め(低利の資金を導入し)、ベンチャーキャピタルや投資銀行のように投資し、利益を上げている。 
 
参考:「金融立国・英国」
リンク 
 
英国の金融復興には、サッチャー政権が手がけた「都市再開発」が密接に関係しています。 
 
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2008年04月29日

地方分権化のグローバリズム

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自民党と民主党によるねじれ国会問題が盛んにマスコミに取り上げられていますが、地方分権化については主張の中身に違いはあるものの全ての政党が賛成しており、今のままでは地方分権化からさらには道州制へと粛々と進んでいくことになりそうです。

実は、先進諸国において地方分権化がグローバルスタンダードになっており、そのグローバリズムにはややきな臭ささも感じるところです。

ということで、今回は地方分権化のグローバリズムの動きを概観してみたいと思います。

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2008年04月28日

■シリーズ「どうする?市場の独占支配」1

【第1回:資源メジャーの再編と独占①】
 
 
「ドルの崩壊」「多極化」と叫ばれるなか、世界中で企業合併・企業買収が進行し、市場の寡占化による資本の集中が進行している。今回の金融不安に伴う市場の混乱に乗じてその動きはさらに加速する。
 
日本においても自由化と市場開放、具体的には様々な金融システムを導入(M&A、会社法等の法改正を含む)した結果、多くの外国資本が入り込み、主要企業への浸食が進む。そればかりか土地や不動産も彼らの手中に取り込まれてきており、巨大ファンドによる大きな資金が水面下で広がることで、今後日本市場を左右するものに成長する可能性すら否定できない。
 
世界に目を向けて見ても、破綻企業の吸収や企業の合併・買収が加速しており、市場の再編は世界規模で進行中だ。市場経済を左右する資源メジャーにおいても例外ではない。
 
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        地球・・・・・資源・・・・・支配・・・・・
 
 
このような動きに対して、今の「多極化」の本質は「無極化」にあると分析する。また、「無極化」によってもたらされるものは、(陰の極たる)巨大資本による市場の独占と支配だと読める。ドル基軸通貨体制によるアメリカ一極集中が崩れて、貨幣経済が多極化(≒無極化)に向かうことは事実であろうが、注目すべき点はその先(中身)にある。
 
大きな流れ(世界金融資本の戦略)はいずれ整理することとして、「アメリカの崩壊」「世界金融不安」「世界経済恐慌不安」の裏で進行している市場の独占支配に目を向けなければ、いずれ取り返しのつかないことになる。もしかしたら既に手遅れになっているかも知れない。状況は不可逆的に進行しており、そこが恐ろしい。
 
今回の経済の混乱は、彼らにとって市場独占のまたとない機会であり、それは意図的に仕組まれた可能性がある。戦略は入念な準備の元に大胆かつ緻密に練られている。これからその戦略の綻び(ほころび)を見つけ出し、突き崩していかなければならない・・・
 
 
これからこのシリーズでひとつひとつ事実を明らかにしていきながら、突破口を考えていきたい。
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今回から数回でまずは「資源メジャー」に着目してみようと思います。石油と並んで世界の生産活動・経済活動を左右する資源(銅、鉄鉱石、各種メタル等)市場は大きな転換点にさしかかっています。寡占化を押し進め、資源市場を独占し、価格決定権をも握ろうとする資源メジャーの再編と独占の動きを押さえておきます。(話の導入としては、こちらが参考になりますので是非ご参照下さい。「鉄鉱石値上げの裏に鉄鉱石メジャーあり」)
 
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