2007年05月21日
破綻から再建へ 夕張 地域の取り組み

財政再建団体入りのニュースが列島を駆け巡ってから、全国の関心も少し薄れてきた感もありますが
地元では、行政だけでなく、様々な取り組みがはじまっているようです
これからの、新たな自治体創生につながる芽があるのではないかと期待しつつ、調べてみました…
まずは、夕張市の財政再建計画から…(リンク)
●再建期間:平成18年度から平成36年度まで
●解消すべき赤字額:353億円(平成18年度財政規模44億円の約8倍)
●基本方針、具体的措置
①歳入確保
…税率引き上げ(市民税、固定資産税など)
…使用料・手数料見直し
②歳出削減
…総人件費の大幅削減
…事務事業費の抜本的見直し(経費の大幅削減)
…観光事業見直し(不採算事業の廃止、施設の売却・指定管理者制度活用)
…病院事業見直し(病院を19床の診療所へ縮小)
…施設統廃合(公共施設大幅統廃合、集会施設は必要なもの以外廃止など)
…高齢者・子育て・教育への配慮(高齢パス当面継続など)
③北海道の支援
…財政支援資金貸付(年利0.5%で一時借入金を貸付360億円)
…市道の一部除雪、建築確認事務、医療給付事業全額負担など)
…地域再生、市民生活維持等の事業への補助など)
道庁から財政の専門家が派遣されて作成した計画で、当然ながら市の借金を返済するにはどうするか、という観点のものでそれ以上ものではありません。
市民の負担が増えるという不満を表明する市民が多数いるようですが、地域の再生に向けて具体的な行動を起こす人たちが出てきているようです。
●先日行われた選挙で当選した藤倉市長も、以下のような考え方をしています。
⇒中学生も含めた市民会議を作り、市民一人一人は何ができるのか登録し、生活の中で相互に活用していきたい。
●その他、市民や民間企業などで取り組み始めたものとして、以下のようなものがあります。
①NPO法人「ゆうばりファンタ」 …「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」復活を目指して立ち上がった。映画祭の“原点回帰”を目指して市が放棄した事業を再建する(リンク)
②NPO法人「夕張観光協会」 …市が放棄した、「幸福の黄色いハンカチ想い出ひろば」と「北の零年 希望の杜」という、映画のロケセットを保存した2施設を再開する。
③かつて市が整備した観光施設も民営化され、改めて市民の従業員たちが活力を高めている。(リンク)
③ほくほくフィナンシャルグループ(北海道銀行・北陸銀行)から職員2名派遣(リンク)
(市に移住し市職員として働く。人件費などの諸経費は銀行が負担)
市内の中小企業などに事業資金を融資する「道銀夕張がんばローン」開始
④がんばれ夕張応援募金(読売新聞ほか協賛)
一方、これからの市民たちの行動を予感させる意識調査結果が報告されています。
北海道新聞によるアンケート調査(リンク)
以下のような点が注目すべきポイントです。
●「財政再建団体になってから、街や人が変わった」と考える人は42・7%
ただし、市役所機能の縮小や住民負担増の影響が実際に始まるのは4月以降とあって、
「変わらない」(55・0%)との回答の方が調査時点では多かった。
●「変わった」とする回答者に具体的な変化について聞いてみると、
「街の財政や自治について市民が考えるようになった」(37・5%)
「出費を抑えるなど、生活を切り詰めるようになった」(31・3%)、
「市民の表情や街の雰囲気が暗くなった」(21・1%)
前向きな変化を指摘する意見が多く、回答者の4割近くが「街の財政や自治について市民が考えるようになった」ことをあげている点は、明るい材料で、特に20代、30代にこうした回答が多かったもよう。
「市役所に頼るだけではだめだ」という自覚が生まれ、市民活動が活発になる予兆と見れそうです。
●不安に思うこととして、全体としては6番目の順位になった「子供たちの教育」も、
子育て世代の30代で5割、20代と40代でも4割が不安と答えている。
これも、母親や高齢女性たちを中心に、市民たちによる取り組みが起こるきっかけになりそうです。
最後に、上記のブログへのコメント投稿を紹介します。
夕張市民ですが、 夕張の再生支援がブームのようにやってくる中、市民レベルにしろ市レベルにしろ、今こそ自分たちの手で再生しなければならない。そんなことを強く感じます。(後略)
市民みんなが直面した逆境が、新しい自治体に向けた出発のきっかけになる…、
という期待が持てるのではないでしょうか。
by わっと
- by wyama at 20:35 in 03.国の借金どうなる?



コメント
破綻を経験した市民や何とかしたいと思っている市長
これからの活動に期待したいところです。 ただ・・・・
2週間ほど前、NHKで夕張市民の悲惨な状況と、改革に取り組む岡山市のことが特集で放映されていました。市民の苦悩に比較して、破綻をさせた張本人はどこかに消え去り、責任の所在がはっきりしていません。またこの事をきっかけに行政のあり方を問い直した所は殆どありません。
番組でも岡山市の例が取り上げられていました。
財政再建を旗印に当選した民間出身の市長が、議会とお役人の厚い壁に阻まれて、初年度はほとんど成果をあげられませんでした。
市職員、議会にまるで緊迫感は見られず、財政危機を招いた張本人が一向にその責任を感じていないのです。お役人にも議員にも「費用対効果」の意識が全くなく、お金は税金や借金で無尽蔵にあるとの意識が全く抜けきっていないからです。
これでは第二、第三の夕張が出てくることは必至です。
恐らくその議員の地元民と業界とのしがらみがあるのでしょう。そして市職員も職員です。あくまで「従来方針通り」とかたくなに計画を変えようとしません。
財政危機などどこ吹く風です。市長が民間出身で改革の方法も知り、意欲に燃えている岡山市にしてこのありさまです。民間出身でない多くの市長たちであればなおさら財政危機を国に頼ろうとします。
今のところ、夕張の教訓は全く生きていないのです。
コメントありがとうございます。
おっしゃるような状況の自治体が多いのだと思います。
やはり、市民の意識が変わることが必要なんでしょうね。
みんなの意識が変われば、世の中は変わる…
のだと思います。
夕張では、若い世代の人たちの意識が変わり始めているように思いました。
あらゆる世代の人たちが当事者として考え始めるようになるにはどうしたらよいか…
みんなで考えていきたいと思っています。