2007年11月08日
炭素税が成立するという事は、エネルギー利権の制覇者(社)の奴属化を意味する?
炭素税はEU諸国では既に導入されている税制である。現在、日本においてもその導入検討は行われており、近い内に炭素税が成立してしまう可能性は高いと言わざるを得ないだろう。

「炭素税」の導入は地球温暖化の対策(CO2削減)が主目的というタテマエなのであろうが、そもそも「炭素税」とは何か?何の為なのか?
炭素税とは、石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料に、炭素の含有量に応じて税金をかけて、化石燃料やそれを利用した製品の製造・使用の価格を引き上げることで需要を抑制し、結果としてCO2排出量を抑えるという経済的な政策手段であるようだ。
要は、エネルギーである化石燃料を価格上昇orCO2削減技術を有料化させる為の政策であり、CO2削減の本質からもずれた単純にビジネス化する為だけの政策に過ぎない。
この炭素税導入の流れを読み解くと、ここに三重の欺瞞が存在する事が分かる。
①そもそも世界全体の温暖化が事実かどうかが怪しくて、直近の異常気象等の現象のみを取り上げて、過去の歴史(氷河期や過去の異常気象等)を無視した事実誤認を正当化している欺瞞。
②次に地球温暖化はCO2が主原因では無いが、ビジネス化しやすいCO2が対象になり、その表層観念が独り歩きして「温暖化=CO2」という洗脳による観念化(テーマ化)が行われたという欺瞞。
③最後に、温暖化防止(CO2削減)の為に、これまたビジネス化し易い化石燃料を対象に増税(→需要減=削減?or減税する技術ビジネス化)という経済政策は、温暖化防止・CO2削減の直接的因果関係は成立しないという欺瞞。
ここまで(三重の)欺瞞観念で誤魔化し続けられると、普通の庶民は洗脳されている事に気づくのも難しい。なぜなら、上記3点を順に遡って欺瞞観念を瞬間的に打破できるだけの真っ当な理論が無いからだ(上記の表のアンケートでも炭素税=環境が良くなるという洗脳が見える)。
原子力技術やCO2の封じ込め技術等をはじめ、確かに炭素税ビジネスで恩恵を受ける大企業等は居るだろうが、一般家庭や個人レベルのミクロ経済圏においては明らかに不当な搾取である。
この搾取の連環が何を示すかというと、「炭素税が成立するという事は、エネルギー利権の制覇者(社)の奴属化を意味する」のではなかろうかと思う。
以上から私は、炭素税には絶対反対である。
- by h100p at 21:36 in 06.現物市場の舞台裏



コメント
確かに「炭素税」って製造業をはじめとした大企業や国家の環境破壊要因がメインであり、一般庶民や後進国はむしろその公害によって苦しめられているのが実情でしょう。
豊かな先進国の人々(庶民)は不当な搾取を環境といった美しい言葉で洗脳されても平和ボケは収まらないようだ。
こんな不可思議な制度が往来する事に疑問が絶えませんね。
私は(条件つきで)炭素税導入に賛成の立場です。ただ、h100pさんの論点が、いくつかあるので整理してみたいと思います。
①気候変動はCO2が原因ではない。
これに関しては最新のIPCCのレポートを参考にしましょう。世界の科学者は、石油消費、森林破壊によるCO2削減が温暖化につながっていると強く主張しています。それ以上の議論は、それぞれの信念と哲学によるものになってくるとおもいます(ブッシュのように・・)
②炭素税=環境が良くなるという洗脳
炭素税の目的は、化石燃料の外部費用を内部化することにより、持続可能性を促進するための税であります。また、この税により化石燃料に重度に依存した日本社会のゆがみと国際公約であるCO2削減など複数の国家目標を同時に達成する税であると考えられます。
ヨーロッパの炭素税は国により違いますが、基本的には企業の国際競争力の維持と雇用の維持を両立するため炭素税を課税するかわりに社会保障税の低減を行っています。すなわち、気候変動を促進する負の行動には課税を増やし、一生懸命働いたことによる所得への課税は減らすというものです。
エネルギーに関して、国連社会の議論では、化石燃料(石油・石炭)・原子力・大型ダムなどは持続可能ではなく、自然エネルギー(太陽光・風力など)に転換すべきという主張が主流になってきています。(bio-fuelはこのブログにもあったとおり、持続可能でないとうまくいかないでしょう。)また、欧米(あの京都議定書に反対しているブッシュアメリカでも)の自然エネルギーは急速に伸びています。これは温暖化対策のみならず、エネルギー安全保障の観点や雇用対策にもかかわる問題だからです。
また、炭素税の議論ですが、炭素税だけでなく、既存の石油関連税がどれぐらいあって、何に使われているかの議論が重要だと思います。実際、欧米の炭素税では、既存の石油税を炭素税に変え、その使途を温暖化対策に当てたりすることがあります。ですので、この手の議論では既存の石油関連税とその使途を明確にした上で議論するといいと思います。
③炭素税による利益は大企業であり、庶民のものではない。
この主張には(一部)賛成です。
たしかに、例えばCDMの実施で誰が利益をうけたかというレポートに、ほとんどの利益は、CO2を削減した途上国でなく、それをCO2削減プロジェクトをつくったデベロッパー(特にイギリスの)が利益を受けています。日本でいえば、大手商社がCO2を増やす石油プロジェクトに参加する一方で、CO2を減らすというCDM事業で利益を上げているという矛盾があります。(自分で汚して、自分できれいにするビジネス・・)
また、日本は京都公約のため、何兆円~何十兆円という予算を使って、CO2削減クレジットを買おうとしています。庶民の血税です。
炭素税は、石油を使った人が使った分だけ(CO2を排出した分だけ)、税金を払う仕組みですが、既存の枠組みでは、政府がCO2クレジット購入を通じて、国民全員が責任を平等(使ってなくても負担しないといけないので不平等ですが!)に負担しないといけません。
それでは石油消費を減らすインセンティブも沸きません。
以上の観点から、私は炭素税の導入には賛成です。
ただ、その前提の議論として、
①既存の石油燃料税は、何に使われているのか?CO2排出を相殺するために使うべきでは?そうできれば、使途を変えるだけで、単純に既存の税を炭素税に置き換えることができる。
②炭素税の使途をどうするか?
③炭素税の議論だけでなく、どうすればCO2を削減できるのかについての政策とセットで考える(自然エネルギー・公共交通の整備など)
④おまけですが、post2012の気候変動の枠組みがどうなるかも注視する必要があります(既存の枠組みは穴だらけなので)
ただ、私もこの件については勉強中でもあり、また政府の議論にも注目しています。建設的な議論がこのブログでできることを期待しています。応援しています♪
このブログ応援団!さん。濃厚なコメントありがとうございます。h100pも建設的な議論ができる事を期待しています。
また、私は専門家では無く素人ゆえに勉強中でありますので、知らない視点があれば間違った事を投稿してしまう事もあります。その時は改善(塗替えて)していきますので御容赦願います。
しかし。発言無くして議論は進展しないし、どの方向に向かうのが最善なのかは、時代状況に応じて刻々変わってきている事もあり、やはり現時点での皆が納得する答えを出したいものです。そういった考え方で今後もこの「炭素税」に絡む市場経済の様々な視点から投稿していきたいと思いますので応援願います。
さて、今回投稿では「絶対反対」と言い切ってしまった訳ですが、原則「絶対」はありません。「③炭素税による利益は大企業であり、庶民のものではない。」という部分を強調したかった為の表現です。
また、「①気候変動はCO2が原因ではない。」に関しては、『自然の摂理から環境を考える』( http://blog.sizen-kankyo.net/blog/2007/06/000144.html )
で、IPCCの実態は?という投稿が参考になります。このサイトはお勧めです。
最後に「②炭素税=環境が良くなるという洗脳」に関しましては、確かに微妙な所で私は良く分かっていません。人々の意識が環境問題を考えるようになる事は非常に良い事である一方、緑の革命に代表されるような[観念は美しいが現実は環境破壊そのものである]と言えなくも無い事象もあります(当然自然エネルギー活用に向けた正しい事象もあります)。要は方向性(人々の意識)は良くなるが、その肝心の手法が市場原理に絡め捕られて誤った手法で実践される事が多いのでは?という直感であります。
私はまだこの変の勉強(議論前提の③)が足りないので、次回の投稿では同じ仲間達で調べて、議論前提①~④の報告ができればと思っています。
以上ですが、これからも是非応援宜しくお願いします。
h100pさん、ご返事ありがとうございます!
わたしも専門家ではありませんが、様々な立場の人間がこのような問題にかかわっていくことが大切だと思っています。以下、私のご返答ですが、あまり長くなるといけないので、極力短く書いています。
>今回投稿では「絶対反対」と言い切ってしまった訳ですが、原則「絶対」はありません。「③炭素税による利益は大企業であり、庶民のものではない。」という部分を強調したかった為の表現です。
私も、炭素税は「前提条件つきで」賛成です。「③炭素税による利益は大企業であり、庶民のものではない。」という主張には全面的に支持しています。
京都議定書は最初の一歩であり、今後のpost-2012の枠組みをどう変えていくかが大切だと思います。その決定は、各国の環境政策・気候政策に大きな影響を与えるからです。
>「①気候変動はCO2が原因ではない。」に関しては、『自然の摂理から環境を考える』( http://blog.sizen-kankyo.net/blog/2007/06/000144.html )
で、IPCCの実態は?という投稿が参考になります。このサイトはお勧めです。
こちら拝見しました。まず、IPCCですが、どの国際機関設立に関しても大国の意向(特にアメリカ)が強く反映していると思います。ですので、この手の議論はIPCCに限ったことではなく、国連における人選など、先進国や常任理事国は大きな影響を持っていると思います。その意味でこのサイトの「「IPCC」の実態は科学者組織ではなく、まさに「政治的組織」という見方が正しいように思います。」という主張は半分賛成です。なぜなら、科学者の選考にも政治的要素は入りますし、今回出たIPCCレポートなどは、科学者が出したレポートをたたき台として、各国の代表者がその報告書に修正を加えていきます。今回の場合、温暖化に関する脅威の最終的表現は(確か米国や中国の意向で)科学者が作ったものよりも弱いものになっています。
また「アメリカにとって不利とも思えるIPCCの設置は、排出権取引という新たな市場の設立とその独占を見越したものであったように思われる」について、確かにそういう面はあったかもしれませんが、現状としてアメリカは排出権取引に参加できませんし、それは一つの側面であって、それでIPCCはだめという議論にはつながらないと思います。もう少し多面的な分析が必要と思います。
そして、この「気候変動はCO2が原因ではない。」ですが、この言葉だけを取り上げるのは誤ったメッセージを流す危険性があると思います。なぜなら、この記事を書いた方の別の記事において、温暖化の3つの可能性を取り上げ(①太陽、②ヒートアイランド、③温暖化ガス)、最終的に、「現在の問題は地球温暖化という環境問題ではなく、市場拡大を続けてきたことによる肉体破壊、石油枯渇、食料危機、という社会構造の問題です。」とあります。結局いいたいのは、環境問題=人間の問題なのだということを主張したいがために、「気候変動はCO2が原因ではない。」、CO2のせいにするな!人間の問題だろ!と書いていると思います。(違ったらすいません^^;)
いずれにせよ、「気候変動は人間の(人間にとっての)問題」という主張には賛成です。何故なら、実際に人間が化石燃料の消費や森林破壊を行い、大量のCO2を排出し、アスファルト化により都市温暖化に貢献していることは紛れもない事実でしょう。そして、地球は生命の生存に絶妙なバランスで成り立っているといいます(他の惑星では生きられません)。よって、温暖化で困るのは人間自身なのです。その人為的活動による大量のCO2排出が、この微妙な地球のバランスに今後将来にわたり、どう影響を与えるかが大切なことだと思います。ですので、温暖化=CO2ではないという主張を前面に出すと、本当に伝えたい重要な部分が逆に消されると思います。
>「②炭素税=環境が良くなるという洗脳」に関しましては、確かに微妙な所で私は良く分かっていません。人々の意識が環境問題を考えるようになる事は非常に良い事である一方、緑の革命に代表されるような[観念は美しいが現実は環境破壊そのものである]と言えなくも無い事象もあります(当然自然エネルギー活用に向けた正しい事象もあります)。要は方向性(人々の意識)は良くなるが、その肝心の手法が市場原理に絡め捕られて誤った手法で実践される事が多いのでは?という直感であります。私はまだこの変の勉強(議論前提の③)が足りないので、次回の投稿では同じ仲間達で調べて、議論前提①~④の報告ができればと思っています。
次の書き込みを楽しみにしております。
「炭素税=環境が良くなるという洗脳」と聞くと、炭素税=悪に聞こえますが、炭素税の中身が大事だと思います(課税内容、税の使途)。既存の税金や予算にはとんでもない、環境にマイナスの税金が多くあると思います。
「市場原理に絡め捕られて誤った手法」についてですが、これだけ社会が「お金」を中心とした仕組みになっている以上、市場原理をどう持続可能な社会のために使うかは大切だと思います。市場はあくまでツールであるので、包丁と一緒でそのツールをどう使うかによって社会がプラスになったり、マイナスになったりすると思います。残念ながら、現状の排出権取引は、企業が利益を得て、国(国民)が支払う構図で、富の配分の観点からも、持続可能な観点からもあまりうまくいっていないのが実情です。その意味でpost2012の議論に注目してますし、日本の政治的決断にも注目です。 (結局、長くなってすみません。。反省)
このブログ応援団!さん。またまたコメントありがとうございます。
>環境問題=人間の問題→その通りです。
>市場はあくまでツールであるので、包丁と一緒でそのツールをどう使うかによって社会がプラスになったり、マイナスになったりすると思います。→そうです。市場はツールに過ぎないというのが特に重要だと思います。
それでは、次回の書き込みを期待して下さいね。
環境問題に関してこの様な議論が進むこと大歓迎ですので、少し参加させていただきます。
炭素税、排出権取引で得をするのは、はたして大企業でしょうか?
排出権市場を取り仕切っていく連中なのではないでしょうか?
そのために、CO2神話を打ち立てたと考えると、、、、、「洗脳」との表現が正しいように思います。
排出権市場は、行き詰まりを見せ始めた証券市場の抜け道と感じているのですがいかがなものでしょう?