2008年07月27日
世界は多極化する? ~ドル安懸念から各国は通貨供給量を増加させている?~

国際基軸通貨であるドルが大量に増刷されています。
その結果、何が起きているかというと、
原油・穀物・鉄など国際相場の高騰。。。
また、ドルを大量に発行したことでドル安になっています。
これに対して世界各国は為替安定のため、通貨供給量を増やしているのではないかと考えられます。
そして、それもインフレに繋がっているのではないかと。。。
このシリーズでは、各国の通貨供給量の実態を調べ、上記仮説を検証していきます。
応援よろしくお願いします
初回は、基軸通貨ドルの大増刷の実態について
●ドルの大増刷 銀行間の不信感は解消されているのかもしれないが、その他の面では、米経済はいまだに崩壊寸前の状態だ。すでに書いたように、米国民の経済状態は悪化するばかりだ。米経済の65%は、米国民の消費で成り立っている(アジアと異なり、製造業の比率が低い)。米国民の家計が大赤字では、米経済は不況から立ち直れない。米住宅市況は悪化の一途で、市況が底を打つまでは、サブプライムの破綻も終わらない。しかも米当局は、金融危機への対策として、ドルの大規模発行を続けている。米当局はドルの刷りすぎ状態を隠すため、2006年から通貨供給量(M3)を発表しておらず、代替指標としてセントルイス連銀が発表しているMZM(money of zero maturity)がある。MZMによると、昨年はドルの増刷は年率9%だったが、今年1-3月には年率30%の驚くべき大増刷となっている。
連銀は今年、金融危機対策として大幅な利下げを行い、銀行への巨額の救済融資を行っている。しかし、それに伴ってドルの大増刷が実施されており、増刷はインフレを悪化させ、石油や穀物などの世界的な高騰を招いている。ドルの価値の下落を嫌気して、世界からアメリカに流入していた投資資金が止まっている。世界の投資家は今年1-3月、米欧に投資されていた1000億ドルの株式投信の資金を引き揚げている(昨年同期は190億ドルの流入)。
3月前半に金融危機がひどくなった時には、金融危機がドル危機に発展する懸念が急拡大した。金融商品に対する不信感が、ドルの不信感に拡大する恐れがあった。あの時、何の方策も採られなかったら、世界の金融・通貨システムは大崩壊していたかもしれない。3月中旬のベアースターンズ救済劇の後、これらの危機は下火になった。しかし、危機はもう去ったわけではなく、一時しのぎで目立たない状態になっているだけだ。
米当局が通貨供給量(M3)の発表をやめた2006年以降、ドルの供給量は鰻上りになっています!
- by shushu at 20:02 in 07.新・世界秩序とは?




コメント
>米当局はドルの刷りすぎ状態を隠すため、2006年から通貨供給量(M3)を発表しておらず、代替指標としてセントルイス連銀が発表しているMZM(money of zero maturity)がある。
MZMってなんですか?
日銀の場合、日銀券の発行残高として、お札をどれだけ流通させているか発表していますが、それと同じですか?
通りすがり人さん、コメントありがとうございます!
>MZMってなんですか?
通貨供給量の統計には、その統計の範囲に応じていくつか種類があり、M1、M2、M3などがあります。MZMとはM1とM2の間に位置する通貨集計量です。
では、M1、M2・・・とは何かと言いますと、ウィキペディアによれば、
M1: 現金通貨と預金通貨(普通預金・当座預金)を合計したもの。
M2: M1に準通貨(上記の預金通貨に準じた性格を持つ)を含めたもの。つまり、現金通貨と預金通貨と準通貨(定期預金や外貨預金)を合計したもの。
M2+CD: M2に譲渡性預金を含めたもの。通貨供給量の範囲としては最も一般的。
M3: M2に郵便貯金、農協・信用組合などの預貯金、金銭信託を含めたもの。
M3+CD: M3に譲渡性預金を含めたもの。
広義流動性 : M3に投資信託、国債などの債券、CPなどを含めたもの。
となっています。
>日銀の場合、日銀券の発行残高として、お札をどれだけ流通させているか発表していますが、それと同じですか?
日銀では、M1、M2+CD、M3+CD、広義流動性の4種類について統計を発表しています。
ドルの大量増刷と、それに対応する各国の通貨供給量の増加が、どのように「世界の多極化」と関係するのでしょうか?
>ドルの大量増刷と、それに対応する各国の通貨供給量の増加が、どのように「世界の多極化」と関係するのでしょうか?
ドル基軸通貨体制という一極体制である限り、ドルの大量増刷に対しては、為替安定のために各国が通貨供給量を増やさざるを得ません。その結果、世界的なインフレは避けがたいものになります。それを回避するためにはドル一極体制をやめるしかなく、「多極化」はその方法のひとつではないかと思われます。