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2008年10月02日

<食糧価格の高騰は何故起こるの?> その9 金だけが高騰、資金が底をつき始めた国際金融資本

現在のアメリカ経済は、ベアスターンズの破綻に始まり、リーマンブラザーズショックの激震が世界を駆け巡り、AIGが850億ドルの救済策をうけることになった。 
 
さらに、メリルリンチ、モルガンスタンレー、一時は「世界最強の投資銀行」といわれたゴールドマンサックスまでもが救済措置をうけるという状況になっている。 
 
アメリカ金融市場に端を発した世界的な金融危機が、まさに地球上を席巻している。そして、その不安定な金融の状況に歩調を合わせるかのように、「有事の金買い」ということで金価格が再び騰勢を強めている。 
 
実際、現物価格としての金は、750ドル/トロイオンスだったものが、900ドル/トロイオンスまで高騰した。7月に付けた直近高値である986ドル/トロイオンスまでは届かないものの、たった数日で実に150ドルの急上昇である。 
 
NY金取引の価格(フジ・フューチャーズのグラフ作成から) 
 
 
 
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しかし、穀物市場はあまり反応していない。金の価格上昇率に比べれば、その動きは小さく落ち着いた値動きになっている。 
 
また、今年の2月に付けた1200ドルに比べれば、約60%の水準である。 
 
シカゴ小麦取引の価格(フジ・フューチャーズのグラフ作成から) 
 
 
 
上記のことは、何を意味しているのであろうか? 
 
シンプルに考えれば、証券市場や債券市場から現物商品に移すことができる資金が減っているのではないのか?資金が減っている状況の中で、とりわけ優先度が高い、つまり、そんな状況下でも、安全で確実度の高い「金」に向かったと考えるのが自然であろう。 
 
このことは、株式や債券、通貨、不動産で拡大し余った資金が、やれ原油だ、貴金属だ、やれ穀物だ、商品だ・・・となだれ込み、更なる拡大をして、再び商品市場に戻ってくるというような状況では無いということを意味している。 
 
それぐらい資金不足で行き詰っていることの証拠が、今回の“金価格のみの上昇”なのではないだろうか。国際金融資本は、「証券・債権から現物資産への流れ」の中であっても、もはや「金」以外の現物資産にまわす資金はないのである。 
 
その意味では、現物投機による『穀物価格の高騰』は、起こらない。

それよりも、米国の金融破綻、米国農業部門での農業者破産、農場経営企業の倒産を介して、穀物生産余力の低下が、中期的に起こる可能性がある。

1929年大恐慌の「怒りの葡萄」の世界である。 
 
ウイキペディア・怒りの葡萄 
 
日本の資金でもって、米国穀倉地帯の農場を買収しに行くことを考えた方が良いのではないか。 
 

コメント

そうですね。米国金融援助に米国債でなくて米国農場を購入するということを麻生首相にやってほしいですね。

  • お星様 2008年10月03日 15:46

>証券市場や債券市場から現物商品に移すことができる資金が減っているのではないのか?資金が減っている状況の中で、とりわけ優先度が高い、つまり、そんな状況下でも、安全で確実度の高い「金」に向かった

なるほど~☆
現物にお金がかけられるのも資金があるからこそなんですね。今はそれだけ資金がない状況なんだ。

>その意味では、現物投機による『穀物価格の高騰』は、起こらない。

これにはちょっと一安心と思ったのですが・・・

>それよりも、米国の金融破綻、米国農業部門での農業者破産、農場経営企業の倒産を介して、穀物生産余力の低下が、中期的に起こる可能性がある。

ここに繋がるとちょっと大変なことになりそうですね(>_

  • mihori 2008年10月03日 21:19

日本の農林中金が、フランスの農業系銀行に対し、救済の資本出資を行いました。

>農林中央金庫は3日、欧州最大級の総合金融グループである仏クレディ・アグリコルに出資し、同社の株式300億円分を取得したことを明らかにした。
>投資業務を軸にした業務提携を検討する。両社は、資本・業務提携を結ぶことで、ともに収益力強化につなげる狙い。同日午後、正式発表する。
>米国発の金融危機でアグリコルは、多額の損失を計上しており、農林中金との提携で信用力を強化する。(ロイター)
http://jp.reuters.com/article/kyodoMainNews/idJP2008100301000409

今後、米国の州立銀行(州法により設立された銀行で、州内のみで業務を行う銀行)が、沢山破綻します。

農林中金さんには、農業州の州立銀行に救済出資し、農業州の穀物生産基盤を入手して欲しいですね。

連邦政府の不許可に対しては、GSEの債権売却を交渉ネタに使って、実行準備に入るべしです。

  • 通りすがり人 2008年10月04日 14:37

お星様さん、mihoriさん、通りすがりさん、コメントありがとうございます。

>>米国の金融破綻、米国農業部門での農業者破産、農場経営企業の倒産を介して、穀物生産余力の低下が、中期的に起こる可能性がある
>ここに繋がるとちょっと大変なことになりそうです

確かに、目先の短期的な現象と、中長期的にゆっくりと進行する本質的な変化をしっかりと認識する必要がありそうです。

>米国金融援助に米国債でなくて米国農場を購入するということを麻生首相にやってほしいです
>日本の農林中金が、フランスの農業系銀行に対し、救済の資本出資を行いました

その上で、私たち日本人として、今後どのように対応していくのかを戦略的に検討していくことが、求められているのだと思います。

手遅れにならないために、今こそ真剣に議論し、一刻も早く実行していくことが望まれます。

  • 霜月 2008年10月05日 09:16

>日本の資金でもって、米国穀倉地帯の農場を買収しに行くことを考えた方が良いのではないか。

そんなことができるんですか(≧△≦)
なるほどでした。

  • ぴょん 2008年10月17日 21:13

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