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2008年11月28日

最近のロシア事情

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ロシアの連邦構成主体区分図(黄緑色が共和国):ウィキペディアよりお借りしました

ブレトンウッズ2とも期待された11月15日のG20会議でしたが、予想通りというかこれから続く協議の出発点でしかなかったようです。

ともあれ、今後の世界経済はこれまでのようなごく一部の国によって形づくられるわけではないことが確認されたことはひとつの成果だったと言えるかもしれません。

さて、今後のG20などにおける情勢はどうなっていくのかを考えるためには、そこに作用する力関係を見極めることが必要だと思います。
そのような観点から、米、欧の背後に居る国際金融資本に対するカウンターパートになりそうな勢力のひとつとしてロシアに着目してみたいと思います。

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●ソ連解体後の市場経済への転換で激動に見舞われた歴史(参照:リンクリンクリンク
<エリツィン時代>
・1990年:ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国最高会議議長にエリツィンが就任
・同年6月:ロシア共和国と改称して主権宣言し、自らを大統領とした。
・1991年8月:ソ連クーデターでエリツィンが鎮圧に活躍
・1991年12月25日:ロシア連邦への国名変更(ロシア最高会議決議)
・1991年12月26日:ソ連崩壊
・1992年5月:ロシア連邦条約により、国名が現在のロシア連邦に確定
⇒ロシアは旧ソ連構成国の連合体である独立国家共同体(CIS)加盟国のひとつになった。
 ロシアは旧ソ連が有していた国際的な権利(国連の常任理事国など)や国際法上の関係を基本的に継承し、大国としての影響力を保持し続けている。
・1993年:ロシア連邦憲法制定(大騒動の末ようやく成立)
・1996年:大統領選挙でエリツィンがかろうじて当選・続投
・1999年:8月9日プーチンを第一副首相に任命、8月16日正式に首相に任命
・1999年12月31日:エリツィン大統領辞任(プーチンを大統領代行に指名)


<プーチン時代>
・2000年:大統領選挙でプーチンが大統領就任
・2004年:大統領選挙に圧勝(2期目)
・2008年:大統領退任、首相に就任
(2007年にメドベージェフを後継大統領に指名、新大統領から首相指名を受ける)

プーチンは、国内の安定と政府権力の強化を目指し、ロシア経済を半ば私物化していた新興財閥「オリガルヒ」の解体に乗り出し、石油・ガス会社ガスプロムの国有化をはじめ、親欧米・反政府的なオリガルヒはプーチン時代を通してほぼ一掃された。
※政権初期に頻発したテロの報復として、対チェチェン軍事作戦再開、周辺各共和国も締め付ける。
報道管制も強化、反政府的な報道機関は露骨な圧力をかけられた。
※対外的には上海協力機構を通じて中華人民共和国との関係を強化、中央アジア各国とはエネルギー開発の面で協力を強めた。
※ウクライナで親西欧政権ができると、ガス供給停止措置を採ることで圧力をかけ、間接的にドイツやフランスへの影響力を誇示している。
※就任当初は蜜月と言われた米国との関係もイラク戦争・イラン核疑惑といった諸問題を扱う中で悪化、米国による東欧のミサイル防衛構想によって冷却化している。


●強力な権力を有する大統領制
・連邦制を取るが、国家元首である大統領(任期4年)が行政の中心として強い指導力を発揮する。
・大統領は首相を含む政府の要職の指名権・任命権と議会の同意を得ないで大統領令を発布する権限を持ち、軍隊と国家安全保障会議の長を兼ねる。
・近年豊富な原油や天然ガスなどの資源をてこに、欧州と中央アジアに対し急速に影響力を拡大。
・ソ連崩壊後の弱体化から相当影響力を取り戻し、豊富な資金力を背景に軍備の更新を進めている。


●激動の経済動向
・ソ連解体後、エリツィン大統領の主導のもと市場経済化が進められたが、急速なインフレーションを招き、1990年代半ばには経済的に落ち込んだ。(1992年IMFの援助を受け、経済に混乱をもたらした)
・その後、成長に転じつつあったが1997年のアジア経済危機の影響を受けて1998年に財政危機を招き、再び落ち込んだ。
・サウジアラビアに次ぐ世界第2位の原油生産国であり、世界第2位の原油輸出国であり、2003年以来の原油価格上昇によって貿易収支が改善、急速に景気回復した石油産業を中心とする成長が続く。
・石油産業への依存の重さや貧富の格差拡大、チェチェン人によるテロのリスクなど、不安定要因も見られるが、2000年にはGDP成長率が10%を越える一方、インフレーションも抑制されて好調が続いた。
・一人当たり名目GDPも、1999年の1334ドルから2006年には6879ドルと5倍強の増加を見せた。
・サブプライム問題をきっかけとした金融危機の影響はロシア経済も直撃しているが、プーチンの人気は衰えを見せていない。


●エネルギー覇権を強めるロシア
・プーチンは1997年に「資源による覇権国家を目指す」という主旨の学位論文を書き、大統領就任後それを実現する過程を歩んでいるとも言われている。
・ソ連崩壊後の動乱に乗じて欧米資本や新興財閥たちにいいように食い物にされた元国営企業群を再度国有化してきており、ヨーロッパに対して大きな供給シェアを有する天然ガスや石油などの資源を武器に国際関係の中での地位を高めてきている。
・最近は、BRICS諸国との連携強化やベネズエラなど反米政権が成立している諸国との連携を強めようとする動きも活発に進めるなど、米国の一極覇権崩壊後の状況を睨んでいると考えられる。


●これからのロシアはどう動く?(参照:リンク
・市場経済化をあまりにも急激に進め、新興財閥など一部の利権集団によって国家体制までもが牛耳られる結果を招いたことで、エリツィン体制の終盤は国民の不人気をかこった。
IMFの支援を仰ぎ、欧米の資本や新興財閥たちの好き勝手にさせた背景には、金融資本の影響を受けていたものと思われる。


・プーチンは、エリツィンの後継指名を受けて表舞台に登場したという経歴やドイツ金融界との関係があると言われているが、国際金融資本との関係はどうなのか?
これまでの動きは、ロシアの国益を第一に欧米の政治勢力や金融資本との駆け引きを繰り広げているように見えるが、今後はたしてどうなのか?
・一方、ソ連崩壊後ようやく20年を経ようとしている現時点は、いまだにソ連時代の記憶が国民の中に色濃く残っており、政権担当者は民意を充分に考慮しなければならないという事情もあると考えられる。


・いまのところ国民の絶大な人気を得ているプーチン体制は、国内マスメディアも制圧し、今後もしばらく続くと思われる。
政治家としてはまだ若く(56歳:現状のロシア男子の平均寿命はこれぐらいのようですが)、国際関係の中で目を話せない存在であり続けることは間違いない。


byわっと

コメント

ダイヤモンドオンラインのロシアの最新のニュースよると、【これまで資源価格の高騰を謳歌してきたロシアは、現在、資源価格の急落による歳入減に苦しんでいる。「彼らは当初、国家予算における歳入項目のうち原油収入に関して、08年は1バレル70ドル、09年は90ドル程度と見込んでいた」。これは、新興国のなかで最も金融危機の影響が小さい中東の産油国が、「1バレル50ドル程度」と硬めに予算を組んでいるのとは、対照的な楽観さと言える。だが、期中でこれだけ資源価格が下落すると、事態は深刻だ。今さら歳出を大幅削減するわけにも行かず、頭を悩ませている。直近のグルジア侵攻によって海外マネーが逃げ出していた影響もあり、それらの補填のために、過去の原油価格の上ブレ分などを原資にした「基金」からカネが流出しているのだ。そんなロシアの成長率は、08年の6.8%から09年は3.5%へと、BRICsのなかで最も減速が大きくなる見通しだ。】(以上引用)
未知の成長力を秘めたBRICs(新興国)が、今後の世界経済の牽引役を務めることに、おそらくなっていくでしょうが、新興国というだけで「成長」を思い描く時代でもなくなってきたように感じます。今後のロシアの動向に注目していく必要がありそうです。

  • shirohana  2008年12月06日 21:42

コメントありがとうございます。

確かに、原油などの資源価格が下落することでロシアの収益源が縮小しているようですね。
しかし、ロシアの資源戦略は国営企業により資源市場の覇権を握り、国際関係を有利に導こうというもの。

資本主義国家の民間企業とは違う原理で動いており、西欧諸国と同列には議論できない面がありそうです。

当面、西欧諸国(金融資本)の対抗勢力として目が離せない存在であり続けるものと思っています。

今後も目が離せない存在ですね。

  • わっと 2008年12月09日 16:09

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