2009年01月24日
鎖国の可能性を探る!-1 鉄は自給できるか?
『鉄をどうする?!』
オバマの歴史に残らない(であろう)演説も終わり、順調に株価はさげてます。この先、各国は保護政策に傾かざるを得ず、世界経済が落ち込む結果、どこかで貿易がストップして実質的に(多かれ少なかれ)鎖国的経済社会に突入します。(予言) (前回は、こちら)
世界で鎖国が出来る先進国は限られていて、その代表は『日本』。なんせ鎖国時代の方が歴史が長く、実質的に開国したのは明治以降ですから、筋金入りの鎖国国家です。忘れかけていた日本人的なメンタリティを取り戻す良い機会ですね。世界の先進国は鎖国状態には耐えられませんから、治安は悪化し、暴動や略奪が横行し、あげくの果てにはドンパチやらかすことになるのでしょうが、多少ひもじくても健全な文化の再生に勤しめば世界のお手本になります。
さて、御指名がありまして 『鉄をどうする?!』 ということですが、残念ながら鉄の専門家ではありませんので、
「わっか・りっま・せ~~ん」(終了)

ベクシル 2077 日本鎖国』というアニメで
主人公の声を演じる黒木メイサ(ブログの内容とはまったく関係ありません)
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・・・としたいのですが、そんなことしたら村八分になって鎖国時代には生き残れませんから、ネットで情報かき集めて急場を凌ぐことにします。
結論から云うと、 「鉄は鎖国しても充分やっていけます。」
▲実は、日本は鉄の資源国
鉄の原料である鉄鋼石は輸入に頼ってますが、「鉄鋼蓄積量」は世界2位です。(←データは1982年のもので古いです。最近のデータが見つからなかったので、見つかったら訂正します。ちなみに1位はアメリカ。今でもそんな感じでしょうか?) なお、「鉄鋼備蓄量」とは、車とか、電化製品とか、ビルとか、製品化された鉄(Fe)を含む総量のことで、高度経済成長依頼、日本は国内に鉄鋼加工品を蓄積し続けてきました。これらはいずれスクラップとなって鉄の材料となります。2004年度の鉄鋼蓄積量は【12億トン】を越えており、それ以降も増加し続けています。
現在の日本における年間粗鋼生産量は【1億トン】と推計されており、その内内需分は約6000トンですから、鎖国によって輸出がストップした上で、現状の内需を賄う分としては、約20年分が蓄えられていることになります。
しかも既に1億トンの生産量のうち、スクラップからのリサイクル鉄は【約3000万トン】を占めていますから、内需分の約半分はリサイクル鉄で賄っている計算になります。ちなみに、ここ数年鉄スクラップの発生量は国内の鉄スクラップ需要を上回るようになり、海外への輸出が行われており、現在全国から年間700万トンを越える鉄スクラップがアジア地域を中心に輸出されているのです。
さらに今後数十年は鉄スクラップは増加すると予測されており、逆に内需は高齢化や人工の減少から縮小すると考えられます。以下のグラフは、スクラップ鉄と内需との関係を示したもので、スクラップ鉄は今後も増え、内需の縮小と考え合わせると2035年には内需をスクラップ鉄で全て賄えるという予想です。

現実には2035年まで待てないですけど、大丈夫。今回の金融危機によって鉄鋼メーカーは既に減産に向かっており、直近では新日鐵で生産量15%削減を発表しています。個人的な予測ですが、今後さらに生産を縮小させて約30%削減位になってしまう可能性は充分にあります。もしそうなると、現在の内需量6000トンが約4000トンになりますから、すでにスクラップ鉄で賄えることになり、今後はスクラップ鉄が余ってくる計算になります。しかも、昨年の世界の粗鋼生産量は11億トンで、その内5億トン(45%)が鉄スクラップによるものですから、それと比較すると日本の鉄スクラップ率は約30%とまだまだ低い方なのです。
▲日本は、優秀な鉄の再生技術保有国
量的にはスクラップ鉄で賄えるということは理解して頂けるでしょうが、もっと技術的なところを押さえておく必要があります。実は、量はあっても今と同等の品質の物は作れないことになる可能性があるのです。
現在、スクラップ鉄を再生するのはほとんどが『電炉(電気炉)』によるものなのですが、鉄鋼石とコークスから製造する『高炉』の品質に比較して一般には劣ると云われています。原因はスクラップ鉄に含まれる不純物なのですが、その不純物を取り除いて高炉と同等な成分にするのが結構むつかしいと云われています。
日本における電炉鋼の歴史は比較的浅く、建設材料等の鋼材や厚板で電炉鋼でも充分な品質のものが製造できるようになったのは比較的最近のことで、今でもメーカーによってはもう一歩という所もあります。さらにむつかしいとされているのは薄板物で、不純物によって思うような品質が出せなかった。自動車に使用する様な薄板には高度な品質が求められるので、今までは高炉の独壇場だったのです。しかし、最近になってようやく電炉で自動車メーカーに供給できる品質のものが可能になってきているのが光明と云えるでしょう。これは技術立国日本の面目躍如といった所で、技術的に必要に迫られれば何とかしてきた日本の歴史があります。
電炉のことにもう少し触れておくと、電気炉工場は、高炉工場ほど広大な土地を必要とせず(高炉大手の大製鉄所では、東京ドーム200個分以上)、高炉工場と比べて生産規模の融通が効く上に、建設費用も300~1,000億円と高炉の10~20%で済み(高炉なら5,000億~1兆円)、減価償却負担も軽く、市況状況に応じて操業を停止させる事も容易であるというメリットがあります(高炉は一度火入れを行うと、設備上の問題で15~20年は操業を停止できない)。(ウィキペディアより)
電炉の方が、状況に合わせてフットワーク良く、安く製造できるということです。
但し、電気は必要。これがないとさしあたりどうにもならず、町の鍛冶屋の世界に戻ってしまいます(個人的にはそれも有りだとは思ってますが・・・・・鎖国とエネルギー問題は、この後どなたかにバトンタッチ
)。
以上、 『鎖国になっても、鉄は大丈夫!』が結論です。
(えっ? 高炉がダメになったら新日鐵など巨大メーカーが潰れるので失業者があふれるって・・・それは、『★人手をどうする?』 担当さんに聞いてネ。これもバトンタッチ
)
リレー先頭のコスモスでした。
それでは次回の 『★その他金属をどうする?』 さん、よろしく~~~
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- by cosmos at 23:55 in 01.世界恐慌、日本は?



コメント
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私も常々鎖国の可能性を考えてるんですが、問題となって来るのはやはり食料と天然資源ですよね。
それから在日米軍を含めた米国がそれを許さないと思いますね。
それが最大のネックになって来ると思います。
天然資源の一部は海底資源が利用可能になる技術革新があれば賄えるようになるでしょう。
リサイクルに関しては100%リサイクルするのは不可能でしょうね。
損耗分がどれくらいになるのかは専門家では無いので分かりませんが。
食料に関しては食生活の水準を落とす事、埋立てで耕作面積を増やす事である程度カバー出来そうな気もします。
農水省あたりの試算では3000万人を養うのが精いっぱいだと言う事ですが、それって江戸期の事ですよね。
農業技術もその頃よりは遥かに進んでおりますからね。
水産資源も養殖を大々的にやる事である程度カバー出来そうな気もします。
私の夢想では、技術の進歩と生活水準の切り下げで1億人程度は食って行けると予想してるんですが、甘いですかね~。
食って行けると仮定しても、やっぱりネックとなるのは米国だと思いますね。
日本が鎖国するのは彼らの利益に反しますから。
戦争をしてでも開国させるんじゃないでしょうか?
これに抗う術は今のところ核武装しか無いと思われますが如何でしょうか?
ななしさん、いつもありがとうございます。
今回のシリーズは、共作になりますので皆さんのお考えがあろうかと思いますから、ここではあくまで私の考えということで御理解下さい。
たぶんこのシリーズで位置付けられた「鎖国」というのは、世界経済(特に貨幣)が混乱した際の貿易の停止、またはそれに近い状態に陥った場合の日本の対処の仕方とか可能性を探る、といった所に置いていると想定しています。まぁ、自然な流れで鎖国状態になっちゃたらどうする?ということでしょう。
もしかしたら、未曾有の不安が日本人にも降りかかるかも知れないのですが、日本人らしく気高く節度をもって対応しようよ、と(私は)云いたい訳です。僕らの可能性は無限にあるよと。本来の日本人の節度さえ再生すれば、どんな困難も乗り越えられると信じています。でも、どうにもならないこともあるかも知れないので、それは何で、その為にはどうする?ということも考えようと。
食料と資源に関しては、次回以降の記事を楽しみにすることとして(私もコメントしよう!)、食料と資源が今まで通り全て賄えるというのは楽観過ぎるでしょうが、我慢する所は我慢した上で生きていこうとすれば、それで充分耐えられる。苦しくなったら、みんな物を大事にするでしょうし、米と塩と醤油、味噌があれば生きていける日本人です。
「明日から日本は鎖国します!」という始まり方は出来ないでしょう。仰るように最大のネックはアメリカであり、アメリカ追従の日本のトップです。ちなみに私は積極的鎖国提案派ではなく、消極的鎖国賛成派(結果として鎖国状態になることを否定しない=チャンスと見る)立場です。
積極的に鎖国に向かう場合は、アメリカとの決別を要しますが、その政治的基盤は全く整っておらず(芽も無い)、やろうとしたら日米安保を解消した上で、軍備を持たない国家を国際的に成立させるか、アメリカ以外に頼るか、軍備を持つかの選択肢しかないでしょう。軍備を持つという意味で一番手っ取り早いのが保核だと考えられます。ちなみに日本では技術的には十分可能ですので、内部的な壁は国民の相互理解と政治的判断です。それが出来るか?と云う問題だと捉えています。
アメリカは明らかに反対するでしょう。敵を増やしてしまう、又は奴隷を手放してしまうという感覚でしょうから・・・しかし、アメリカは今後衰退していく事を見据えて、あらゆる準備をしておく必要があるかも知れません。そこで重要なのは、今までの枠組みを超えて、日本人の意志をどの様に統合していくのかということに尽きます(と、考えています)。
日本にはレアメタルの資源産出国に匹敵する「都市鉱山」があるというのは聞いていましたが、鉄鋼もかなりのものなのですね。食料などの消耗品以外は、これまでの経済活動で蓄積してきたストックをとことん探し出せば、相当の自立ができそうな感じがしてきました。
・・・・ところで、黒木メイサはこれからも毎回出てくるんですか?
管理人さん
>・・・・ところで、黒木メイサはこれからも毎回出てくるんですか?
・ ・ ・ ・ ・ ・・・・わ か り ま せ ん・・・・ ・ ・ ・
私は鎖国派です、でも鎖国の最中に国力が無くなるのでは意味無いと思います。
ちょっと考えてみると
もしも火星に今の地球と同じレベルの文明があり、貿易をしたいと申し入れが有りました。得る物も有れば失う物もありますし、相手も思惑も有ります。
実は鎖国するより Tough negotiatorが必要なのは今の日本だったりして
まかとさん
正直、驚いているんですが、鎖国を指向している人って多いんですね。
その辺でなんとなく感じるのは、結構みんな日本のことを考えているんだということ(素晴らしい!)と、日本的(≒人間本来の姿)なものと他者(≒それ以外のこと)のギャップが顕在化しつつあるということと、そしてそのギャップを埋める答えが見えないということなど・・・
「鎖国」はそのわかりやすい答えのひとつなんでしょうかね?
私も日本にTough negotiatorが必要だと思いますが、問題は、Tough negotiationのためのTheoryが不在なことでしょう。言ってみれば闘う為の武器が無いみたいな状況。御都合主義の交渉は諸外国はお手のもので、世界の歴史はそれで作られているといっても過言ではない(ある時は戦争という形で・・・)
近代に作られた理念が悉く瓦解していく過程が今ですから、new Theoryの生みの苦しみみたいな状況でしょうか・・・・