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2009年05月19日

ブロック経済前夜3 ~アメリカ大戦景気から世界恐慌へ~ 

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シリーズでお伝えしている「世界はブロック経済化するのか?」
前回までの記事
世界はブロック経済化するのか?~プロローグ~
ブロック経済前夜1 ~イギリスによる国際金本位体制の成立~

ブロック経済前夜2 ~第一次世界大戦、そして英国・ポンドの凋落~


今回からいよいよ、各国のブロック経済の中身をみていくわけですが、
まずはその前に、世界をブロック経済へ変化させていくきっかけとなった『世界恐慌』
について基礎勉強をしておきたいと思います。


『世界恐慌』とは、1929年10月24日にニューヨーク証券取引所で株価が大暴落したことを端緒として世界的な規模で各国の経済に波及した金融恐慌、および経済後退のことを示しています。
一般的には「暗黒の木曜日(ブラック・サースデイ)」という名前で良く知られています。


1929年当時は、ソ連邦という共産主義国家が出現したばかりで、世界は、自由主義vs共産主義の2つに大きく分かれていました。


それに加えて、直前にあった第一次世界大戦のために、列強の間にはまだ緊張が残っていました。そのために、各国は恐慌が起きた際にも協調をせずに、それぞれが自国の利益だけを考えて、恐慌に対応していった背景があります。


それでは、『世界恐慌』までの流れを見てみましょう!


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■第一次世界大戦
 軍需・民需物資の莫大な消費・ヨーロッパが戦場になる
   ↓
 ヨーロッパの生産力低下
   ↓
 戦場にならなかった国、アメリカ・日本の輸出が莫大に増加
 ヨーロッパ各国の輸出激減によりアメリカ・日本の世界的なシェアの拡大


■アメリカ→大戦景気
 ○アメリカ→ヨーロッパへの資金の融資
  →アメリカが一躍債務国から世界一の債権国へ

 ○大量の需要にこたえるため生産の効率化がはかられる。
  →機械、トラクターなどの導入
   →少人数での操業が可能に


■恐慌の前兆(アメリカ)
工業・・・潜在的な高失業率
      →戦争が終われば、仕事も減少、過剰労働力

農業・・・大量生産、生産過剰
      →耕地に過度の負担
       →表土の流出・侵蝕・荒廃・不毛化
        →自作農の没落


■繁栄を謳歌するアメリカ 
①ドイツ、賠償金の莫大な負債にあえぎ、猛烈なインフレに襲われる。
   ↓
②戦勝国(英・仏など)、戦時中の負債、国土の荒廃などによる経済の悪化。
 ドイツからの賠償金で経済にてこいれし、アメリカヘ輸出することで債務を返済。
   ↓
③アメリカは英・仏から債務をとりたてるため、ドイツに経済援助
(ドイツだけでなく英・仏をはじめとする欧州各国も各種援助をうけていた)
   ↓
④ドイツはアメリカからの経済援助によって、自国の産業を建て直し、戦勝国に賠償金(条約で定められた物品、資源を含む)を支払う。
   ↓
⑤こうして
 ●負債に喘ぐドイツ
 ●経済立て直し中のヨーロッパ
 ○ひとり繁栄を謳歌するアメリカ


という図式ができあがります。


■まやかしの繁栄-アメリカの1920年代>

この時期の経済的発展はまさにめざましいものがありました。
ニューヨークをはじめとする大都市には摩天楼とよばれる高層ビルが立ち並び(もちろん大都市の土地不足という側面もあったが)、自動車産業の発達とその普及は凄まじいと言ってもよいほどのものでした。また、電気・ガス、特に電気の普及は著しく冷蔵庫・ラジオも一般家庭に入り込んでいきます。
   ↓
⑥大衆消費的社会の出現
   ↓
⑦余分な資本を少しでも持つ人々は(まるでスポーツ感覚で)株式投資に手を出し始める
 (株式投資によって)「誰もが金持ちになれる可能性があるだけでなく、きっと誰もが金持ちになれるに違いない」 と思い込まされます。


 そのかげで… 従来の産業の衰退農業恐慌 などが起こり始めます。
 

 ◆合成繊維の普及
  →繊維産業の衰退
 

 ◆石油産業の発展(ガソリン・重油・各種原料、アメリカは世界の生産量の七割を占めていた)
  →石炭産業衰退


 ◆自動車の普及(全世界の自動車の八割以上を保有)
  →鉄道産業の衰退
 

 ◆農業の効率化
  →慢性的な 過剰生産 (欧州の農業生産の復活により、需要が減る)
   → 農業恐慌 始まる。


 ◆生産過剰
   →市場流入量の増加
    →生産物価格の下落
     →でも生きていくためには一定量のお金が必要
      →だから価格が下がってもそのぶん大量に出荷
       →市場流入量の増加…。
        →悪循環

 
 ◆農業機器の購入費増大
   →生産コストの増大と赤字覚悟の生産
    →農家への負担がさらに増大

 
一方、海外から安い労働力としての移民がアメリカという新天地を求め大量に流入。
1928年から工業生産が下降していく。


⑧大戦終了→潜在的な失業者が顕在化
   ⇒ 増えすぎた移民の制限 (労働需要に対して過剰な労働力があるため)


⑨繁栄している産業においても所得の分配は公平でなかった。
 →賃金はともかく上がっていたので不満の声は上がらなかった。
  →生産力と購買力とのバランスは崩れていった。
   →1929年の統計によるとアメリカ全家庭の60%は貧困な家庭(年間収入2000$以下)


となっていたころ、アメリカ政府は、国際経済の安定より国内産業の保護を優先する姿勢をとります。こうした中で、スムート・ホーリー法が定められることとになります。(第一次世界大戦後、アメリカ国内では保守主義が強まり、共和党が政権を獲得。第一次世界大戦中に債務国から債権国に転換したにも拘らず、ほぼ1920年代にわたって共和党政権下で保護貿易政策が採られることになった。 )

◆もともと高い関税を33%に上げる。
 →ヨーロッパ各国は高関税の壁に阻まれアメリカに輸出することで返していた債務返済が困難になる。
◆低所得者の税率はそのままに、企業と高額所得者の税金を減らす。
 →貧富の差が一層拡大
◆労働運動に冷淡(大企業からの圧力など)
◆低金利政策
   
    ↓
⑪金待ちはより金持ちに。そうでない方は、よりそうでないように。
 巨大企業は市場の独占化をおしすすめ、一層の生産の拡大。


⑫株式市場では株価が上がり続ける。
 手持ち現金の乏しい株購入者
  →少し株を買う
   →仲買人はその株を担保にして、株価の値上がりを見込んで市場価格以上の金を貸す
     →その金で株を買わせる(仲買人はあくまで「株価が上がり続ける」ことを前提にしており、
       株価の急落ということは眼中になかった。しかしそれは株購人者とて例外ではなかった)
       → 現実離れした投機熱
        →そしてその日はきた-1929年10月24日 木曜日


■大恐慌

●1929年10月24日  暗黒の木曜日(ブラック・サースデイ)
 ニューヨーク、ウォール街の株式市場で株価の大暴落が発生。
寄り付きは平穏だったが、間もなく売りが膨らみ、午前11時には売り一色に。
そこでウォール街の大手株仲買人たちが協議、買い支えを行うことで合意。
このニュースで相場は値を戻し、数日間は平静を保ちました。


●1929年10月29日  悲劇の火曜日
実際に激しい暴落を演じたのはこの日。
⇒投資家はパニックに陥り、株の損失を埋めるため様々な地域・分野から資金を引き上げ始める。


●1930年
恐慌はヨーロッパをはじめ世界各国に波及
(第一次世界大戦後の各国の経済はアメリカと深く結びついていたため被害は甚大に)
 →アメリカ資本がヨーロッパから引き上げられる
  →ヨーロッパ諸国は金融不安に陥る
   →恐慌

 
そしてこれを契機に多数の産業が抱える問題は一気に顕在化していくのです。
工業生産の激減→多数の失業者
農業恐慌    →    〃

この状況に至って政府は「自由放任」したままで経済が立ち直れないことを認識し、いろいろと手を打ち始めます。しかし、冒頭で書いたように当時は直前にあった第一次世界大戦のために、 列強の間にはまだ緊張が残っていました。そのために、各国は恐慌が起きた際にも協調をせずに、それぞれが自国の利益だけを考えて、恐慌に対応していきました。


ヨーロッパを襲った恐慌の波は計画経済を進めていたソ連を除いた各国で、30年代半ばから大きな爪痕を残します。イギリスは金融恐慌が起こり100年以上に渡る金本位制を放棄し、管理通貨制度に移行し、自由貿易制度から保護貿易制度(ブロック経済)に転換していきます。またドイツは若年労働者の失業が深刻化し、ナチ台頭への原動力となっていきました。 ~続く~

コメント

最近の欧米エコノミストの発言で
気になるのが、中国を持ち上げる
内容が多くなってることです。

同じアジアの人間として心配に
なるのが、これは将来的に、欧米勢のつけを
結果として中国に払わす戦略なのか?
とゆうものです。

中国脅威論がさかんな日本でありますが、
歴史的にみて本当の脅威はやはり
欧米勢の策略戦略であり、残念ながら
これは、アジア人のかなうカテゴリー
ではないようです。

中国を筆頭に、アジアが踊らされぽい捨て
される未来を感じ、なんとなく不愉快であり
不安になります。

  • バランス 2009年05月21日 20:56

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