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2009年12月10日

世界経済破局への長い序章? 2.次の弱い環はFDIC(連邦預金保険公社)か

ドバイ破綻の影響で、湾岸諸国の株価下落が起こっている。また、中東欧の中小諸国の国家破綻への波及が言い立てられている。例えば、ギリシャやバルト海三国である。
 
一方、不動産開発の破綻という側面に注目して、米国の不動産開発(オフィス・商業施設開発)の破綻、CMBS(商業不動産担保証券)の破綻急増との分析がある。 
 
今回は、米国の不動産開発、その資金調達の方法であるCMBSのデフォルト急上昇を起点とした、米国金融の危うさを見てみます。

危うさの連鎖は、以下の通りです。 
 
1.CMBSのデフォルトが急増している。
2.CMBSデフォルト(不動産貸付破綻)により、中小銀行の倒産が増大している。
3.銀行倒産の増大で、連邦預金保険公社の資金が枯渇してしまった。
 
 
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1.CMBS(商業不動産担保証券)のデフォルト率が急上昇 
 
まずは、米国の住宅破産をみると、月間破綻件数は30万件を超え、依然過去最高の高水準が続いている。(グラフ化したものを、最後に載せておく。) 
 
この住宅破綻に加えて、不動産開発貸付、CMBS(商業不動産担保証券)のデフォルト(破綻)が、急増している。
ITバブルの崩壊した02・03年は、デフォルト率1.3%位まで上昇したが、その後の米国バブルでデフォルト率は0.2%と極小となった。
しかし、08年9月のリーマン・ショック以降急上昇中で、09年9月のデフォルト率は、4.1%にまで拡大した。この上昇カーブを見ると、今後どこまでデフォルトが拡大するか恐ろしい位です。 
 
 CMBS01.bmp 
 (グラフは、Walk in the Spirit さんの記事を参照して、元記事から引用しています。Moody's CMBS Delinquency Tracker Hits Decade High、以下の2図も同様です。感謝!) 
 
2.依然、高水準で推移する銀行の倒産 
 
高水準の住宅破綻に加えて、不動産投資の破綻が急増しているので、そこに資金を供給している米国の中小銀行が次々と倒産している。
図は、2009年初めから、週ごとの銀行倒産件数(棒グラフ)とその累計(折れ線グラフ)をみたものです。 
 
第26週と第29週は、各々9銀行が倒産した。第43週には9銀行が倒産した。第48週(12月4日の週)に6銀行が倒産し、累計で130銀行倒産です。 
 
  
  ポップアップです。 
  (図の出典:FDIC Bank Failure Update) 
 
3.枯渇する連邦預金保険公社の資金 
 
12月4日の6銀行倒産では、FDIC(連邦預金保険公社)の預金保険基金が負担する金額は、総額23億ドルを超える見通しです。 
 
ところが、この預金保険基金が既に枯渇しているのです。 
 
図は、倒産銀行数と3ヶ月毎の預金保険基金残高を見たものです。 
 
リーマン・ショック直後の08年9月末では、基金は346億ドルありました。しかし、12月末には189億ドルへと大幅に少なくなり、09年3月末130億ドル、6月末104億ドルと減少していった。 
 
そして、ついに、9月末は、マイナス82億ドルとなった。12月4日の銀行救済資金を見込むと、マイナス100億ドルを確実に超えている。 
 
  
  ポップアップです。 
  (元図の出典:FDIC Bank Failure Update、一部追加した。) 
 
この事態に対して、公社総裁が、「翌年、翌々年の保険料収入を見込めば、基金のバランスは大丈夫である」というような説明をしていたのが、印象的です。 
 
銀行倒産をスムーズに進める役割を担う、FDIC(連邦預金保険公社)自身が、既に、危険水域に入っているのである。 
 
 
最後に、住宅破綻件数の推移グラフを更新しておきました。 
 
  
  これもポップアップです。
  データ出所はRealtyTrac社のPress Releases
 

コメント

CMBS物件の延滞率は4.47パーですか?
そうですか、そうですか。すばらしいですね。
FRB FDIC GSE FHAの同時破綻が、ブラックスワンでないと誰が言い切れるのでしょうか?
ハイパーインフレがもうすぐやってきそうで、食料の備蓄だけでもと・・・
すみません、とりちらかってしまいました。

  • インスタント山伏 2009年12月15日 08:30

インスタント山伏さん、コメント有難う!

米国議会で、2つの事柄が焦点になっています。
1つは、FRB改組です。FRBの権限を連邦国家に従わせる。これは、米国の歴史的対立事項ですね。

もう1つは、財務省証券(米国債)の発行枠。
発行枠は、議会での議決に縛られる。
現在の発行枠は12.1兆ドルで、枠一杯に国債を発行してしまっている。だから、米国民主党は、1.8兆ドルの枠拡大に向けて動き出している。

FRB改組法案、財務省証券の発行枠の議論が、中期的な財政赤字の削減と絡んで審議されています。

米国議会の審議も綱渡り状態ですから、昨年の7千億ドル法案の下院否決というような不測の事態も起こりかねません。

今後起こる破局は、第一次オイルショック程度では収まらないでしょうから、食料備蓄への助走が必要ですね。

  • leonrosa 2009年12月15日 10:55

追記です。

財務省証券の発行枠問題について、JB PRESSに日本語翻訳記事がアップされました。

「上限に迫る米国の政府債務議会に有り難くないクリスマス・プレゼント」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/2364

>米国の議会で大部分の議員たちは、できればこんなクリスマス・プレゼントなど受け取らずに済ませたいと思っているに違いない。

>彼らは休暇のために里帰りする前に、政府債務の上限を現在の12兆1000億ドルから14兆ドル近くに引き上げる法案を採決することを求められているのだ。

>これは恐らく非常に不人気な採決になるだろう。しかし、議会が上限の引き上げを認めなければ、政府は数週間のうちに機能停止に追い込まれることになる。

  • leonrosa 2009年12月15日 12:07

米下院が可決した金融規制改革法案の概要
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnTK854775420091215
システミックリスクの監督と問題を抱える機関の破たん処理とかですが、シンクロしてますかね?
出所がロイター(ケンカ売ってんのかゴルラと御怒りになられないようにすみません)
ジム・ロジャーズもFRBやガイトナはいらんいらんといっていた模様ですので
http://www.youtube.com/watch?v=IxCJXf3A1uE
えーごが早いです穏やかでいい感じですよね

  • インスタント山伏 2009年12月16日 07:00

インスタント山伏さん、朝がお早いですね(_0_)

米国議会での、金融機関監視法案と財務省証券の発行枠法案は、改めて、取り上げたいですね。

  • leonrosa 2009年12月16日 22:18

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