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2010年07月02日

「ユーロ発国家財政危機の行方」4 ギリシャ暴動とその他の国の状況から国家・市場の統合限界が見えてくる

 ギリシャ首都アテネでは暴徒らによる警察署やラジオ局、アテネ市内の銀行3行などの襲撃が相次いで生じています。反政府ゲリラの犯行とみられる爆弾テロも立て続けに起きています。緊縮財政策に対する抗議デモで揺れる同国で、ゲリラの動きが活発になっているようです。暴動によるアテネ市内小売店での被害総額は二千億円程度になると見られています。
 新聞やテレビでの報道からイメージする内容よりもかなり実態はひどいような気がします。それも2008年から始まっています。

ギリシャの暴動を見れば、国家と市場の統合に限界が来ていることを実感します。


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暴徒らが警察と市街で衝突している。ギリシャ北部テッサロ二キにて。2008年12月16日(AP通信) 

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【ギリシャの暴動  ~国民らは忍耐の限界を超えた】

IBTimes 2008年12月17日

16日、ギリシャで市民デモが生じ国内テレビ局・ラジオ局を占拠、反政府的な放送を占拠した放送局に対し行うことを強制する事件が生じた。
 占拠したのは10名ほどの青年グループで、同国国営放送局NETに侵入し、同国カラマンリス首相の演説放送を中断させた。 

 その後スタジオのカメラに青年らが持ってきた「テレビを見るのをやめて、通りに出ろ」と書かれたバナーを映し出した。放送局の占拠での負傷者は出ず、逮捕拘束者も報道されていない。NET会長のクリストス・パナゴプロス氏は「侵入してきた青年らは放送機材の扱い方を熟知しているように見えた」と話している。

 ギリシャ首都アテネでは暴徒らによる警察署などの襲撃が相次いで生じている。ギリシャ北部のテッサロニキ司法庁舎前でも衝突が生じ、暴徒らの一部は地域ラジオ局に乗り込み、反政府メッセージを放送するように強要した。ギリシャ警察当局によると、市街を火炎瓶や石などで襲撃した暴徒は30名に及んでおり、7台の自動車と警察バスが損壊したという。他にもアテネ市内の銀行3行でも火炎瓶による攻撃が生じ、建物が損壊する被害が生じた。

 6日に暴徒らのうちの一人である15歳の青年に対し警察が発砲したのが引き金となり、アテネでの暴動は拡大、これまでに300名以上が逮捕、数千件もの店舗で略奪・家屋損壊などの被害が生じている。暴動によるアテネ市内小売店での被害総額は二千億円程度になると見られている。

 ギリシャ野党全ギリシャ社会主義運動( PASOK)広報担当のGiorgos Papaconstantinou氏によると「国民らは忍耐の限界を超えている。金融危機の影響で給与が支払われなくなっている。同時に国家機能が崩壊しているのが見てとれている。国民らは政府に演説ではなく、金融危機に対する対処法を今すぐ聞きたいと求めている」と話している。

 カラマンリス首相は、政府は市内で生じている事件について、交渉を通じて死傷者を出すことなく「穏やかに責任をもって」対処していきたいとしている。

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写真はアナキズム誌オンライン編集委員会からお借りしました。

【ギリシャ危機で左翼ゲリラが活発化】

NEWSWEEK 2010年5月26日号掲載

ギリシャで反政府ゲリラの犯行とみられる爆弾テロが立て続けに起きた。緊縮財政策に対する抗議デモで揺れる同国で、ゲリラの動きが活発になっているようだ。
「今はゲリラにとって非常に活動しやすい状況だ」と非営利組織「ワールド・セキュリティー・ネットワーク」のイオアニス・ミカレトスは言う。「財政危機によって国民の不満が高まるなか、ゲリラを支持する人も増えている」
 最初の爆発は5月13日夕方、アテネのコリダロス刑務所の近くで発生。この刑務所には極左ゲリラ「革命闘争」のメンバーが収監されている。2つ目の爆発は14日の昼頃、北部の港湾都市テッサロニキの裁判所敷地内で起きた。
 政府は財政危機を乗り切るためにEUとIMFから総額1100億ユーロの融資を受けるのと引き換えに、年金改革など財政緊縮策の導入を決めた。これに反対する市民のデモでギリシャは揺れている。

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ギリシャ:公安省で小包爆弾爆発 公安相の秘書官が死亡

6月25日10時58分配信 毎日新聞

AP通信によると、ギリシャの首都アテネにある公安省ビルの7階で24日午後8時15分ごろ、公安相あての小包に仕掛けられていた爆弾が爆発し、秘書官(50)が死亡した。犯行声明はないが、警察は、74年の軍政崩壊の記念日を名乗る極左勢力「11月17日」ら過激派によるテロとみて調べている。
 ギリシャでは軍政後の75年から、極左勢力による爆破や銃撃が続き、これまで23人が犠牲になっている。死者が出たのは02年以来8年ぶり。
 標的にされたとみられるフリソフォイディス公安相は02年に過激派「11月17日」の掃討作戦を指揮していた。

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ギリシャだけではなくスペインなど財務体質の弱いPIIGS(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペイン)諸国は年間1000億ユーロにのぼる債務の返済を、2010年を含め少なくとも5年間は払っていかなければなりません。

その他の国も紹介したいと思います。

【スペインの危機】
次の財政危機が懸念されているのがスペインです。経常収支はマイナス。それに、スペインの銀行はポルトガルの国債をたくさん買っています。ポルトガルが財政危機に陥るとスペインも危うくなって、玉突きのように問題が欧州に一気に広がる懸念がありまする。スペインはギリシャやポルトガルに比べると財政やGDPの規模も大きく、スペインはユーロ圏では5番目の経済規模です。それだけ影響があります。20%を越えていた失業率(1ヶ月だけでスペイン全労働人口における失業率が1%も上昇するという危機的な状況、5人に1人が失業者)も問題です。


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【ハンガリー危機】
6月4日、ユーロには参加していないハンガリーが財政赤字を削減するための緊縮財政の導入を発表し、財政危機はユーロ圏のみならず東ヨーロッパにも拡大しつつあることが露呈されました。ハンガリーもゴールドマンサックスなどの金融機関のアドバイスで経済統計をごまかし、赤字幅を3.8%程度としていたそうです。このような統計数値の偽造がバレたことで、市場の信頼を失い、国債の売りが進みパニックが起きかねない状況になっています。

【国家・市場の統合限界~PIIGS(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペイン)諸国とドイツ、フランス】
 イタリアでは6月25日公務員の昇給停止などの歳出削減策に抗議する数十万人規模のデモがありました。フランスでは6月24日、サルコジ大統領が進める年金支給開始年齢の引き上げなどの改革案に対し、各地で約200万人が抗議デモに参加しました。ルーマニアでは6月25日、大統領官邸に押し入ろうとしたデモ隊と警官が衝突しました。

 財務体質の弱いPIIGS(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペイン)諸国は年間1000億ユーロにのぼる債務の返済を、2010年を含め少なくとも5年間は払っていかなければなりません。2011年には1300億ユーロ、直近でも、7月にはこの4か国だけで360億ユーロを返済しなければならないのです。PIIGS支援には4000億ユーロ規模の融資を、EU内で資金調達する計画です。
経常黒字が多いドイツが主に支援に応じることになると予測されますが、ドイツも資金が潤沢にある状況ではありません。フランスも経常収支は赤字で、財政赤字の対GDP比はPIGS並みに厳しい状況にあります。ただ、ギリシャ国債などを多く買っていたのがドイツやフランスなどの他のEU諸国の銀行でした。「PIIGS」向けの外銀全体の融資残高は2兆5350億ドルありますが、このうちEU諸国の銀行だけで1兆9150億ドル(75.5%)を占めています。つまり、どこがデフォルトを起こしても、EU内の別の国が影響を受けて、連鎖的に金融危機を起こす可能性があるのです。ユーロは複数の国で市場経済を支えていくしくみであったはずですが、あっという間に国家・市場の統合限界を越えたということですね。

【まとめ】
 暴動にまで至った原因は、ユーロ統合で自国の貨幣評価が結果的にあがることになり、その分消費が上向きますが、実はそれを支えるていたのは働いて稼いだわけではなく財政出費(国債発行)であり、最終的には借りたものが返せないということで金融危機に陥ることになります。そして緊縮財政に向かうしかなくなり、失業率が上昇し、国民が我慢の限界を越えた時点で暴動になるということです。

 ちなみにEU諸国の失業率は平均10%(2010年5月)です。ドイツは7%、フランスは9.9%、スペインは19.9%、オランダは4.3%です。

 暴動は、もともと働いて稼いだわけではないのに消費拡大していたということを差し置いて、景気が悪いと暴れている(要求している)だけのことではないでしょうか。日本では経済危機を前にして、逆に秩序収束(集団収束)していくのですが、個人主義であるEUでは逆の現象がおきるということです。EU諸国は秩序維持は困難かもしれません。

コメント

>個人主義であるEUでは逆の現象がおきるということです。EU諸国は秩序維持は困難かもしれません。

個人主義本場のEUやアメリカは、私権がこれから縮小していく時期には、小さくなるパイを巡って争う可能性大ですね。
特にいきなり今後ドル暴落などで、急激に経済が縮小していく際には秩序維持が可能かどうか?かなり難しそうですね。

  • Hiroshi 2010年07月08日 03:28

Hiroshiさんへ

確かに、もう私権が衰弱してきて、いよいよ市場が持たなくなった時、どうなるんでしょうね汗

アメリカや欧州をどうやって統合していくのか、私たちはどうすればいいのか?その辺りが議論の対象になっても興味深いかもしれませんね。

  • SSS 2010年07月08日 16:04

スペインの貯蓄銀行(カハ)など南欧の金融機関は資金操りに苦しんでいる。
それに対して欧州中央銀行(ECB)は1日、期間が6日間の特別資金供給オペの実施が迫られ、1100億ユーロを合計78行に対して供給したそうです。

今後もこんな状態が続きそうですね。

  • kyohei 2010年07月08日 22:03

スペインでは、7月から月給5%減という財政再建策に対して、郵便配達員ら公務員主体の労働組合による小規模なデモが続発しています。

他にも、ギリシャ、ドイツ、ポルトガルで6月に数万人規模のデモがあり、イタリアでは最大労組がゼネストを行いました。

全欧州の労組を束ねる欧州労連は、EU財務相理事会が開かれる9月29日に全欧で抗議行動を計画しています。

中でも国民の不満が強いスペインやギリシャはユーロ圏から脱落するとの懸念もささやかれ始めています。

欧州統合は完全に限界を迎えているようですね(-.-;

(2010年7月7日の読売新聞記事より)

  • kanon 2010年07月08日 22:30

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