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2012年01月13日

『なぜ今、TPPなのか?』【7】中国はどう見ているか?

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前回はアジアのブロック経済圏について追究してきました。今回は、TPPに対して、中国は、どう見ているのかを探っていきます。


2010年、中国は、世界第2位の経済大国に躍進しました。そこで今回は、まず、中国貿易の実態、上海協力機構、中国人民元の動向について調べます。
その上で、今回のTPPに対して、彼らは、どのようなを立ち位置にいるのかを都合二回に分けて探っていきたいと思います。


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さて、中国貿易を中心とした世界貿易の実態を調査します。
2011年の通商白書から引用します。【リンク

■6極間貿易総額に占める各2国・地域間貿易額のシェア
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ここ20年間、中国の貿易額のシェアは、非常な勢いで増加している事が見て取れます。

■3極間の通商関係の概念図
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1990年ではNAFTA、EU、日本の三極構造
2008年ではNAFTA、EU、中国の三極構造が日本を上回る
2010年はNAFTA、EU、中国にASEANやメルコスールを加え、中国を中心とした五極構造になっている(いく)と言う分析がされています。

■東アジア各国・地域の中間財・最終材貿易動向
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1999年から比べる国は日本・韓国などから中間財を輸入し、組立加工をしてアメリカ・EUへの輸出を大幅に増大させています。世界の組立工場としての存在を大きくしていると分析しています。

一方、データは、若干古いですが、日本の輸入に占める中国品の地位の変化についてのデータを引用します。【リンク
愛知大学の今井教授のレポートより
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A労働集約型の製品(衣類、家具、はき物など)は中国の存在感が圧倒的です。
B機械製品でも中国がシェアトップとなっているものが増えています。
日本への中国からの輸入品の量は、年々増加しているといえます。今や製品のほとんどが、「中国製」という実態が、この表でも明らかでしょう。


続いて上海協力機構・人民元について調べて見ましょう。

■上海協力機構
リンク】(ウイキペディアより)

・正式加盟国:中華人民共和国・ロシア・カザフスタン・キルギス・タジキスタン・ウズベキスタンの6か国 ・オブザーバー参加:モンゴル、インド、パキスタン、イラン ・対話パートナー参加:ベラルーシ、スリランカ ・客員参加:アフガニスタン、独立国家共同体(11カ国)、東南アジア諸国連合(12カ国) ・加盟申請国:トルクメニスタン、トルコ

●中国、上海協力機構会議で経済協力強化を提案へ
リンク】(2011年11月7日)の人民網日本語版によると、

・中国は、域内の貿易投資円滑化プロセスを積極的に推し進め、適切な時期に、メンバー国間の自由貿易区設立の可能性に関する合同研究を推し進めていくこと、非資源分野における経済技術協力を促すこと、融資チャンネルの多元化をはかり、上海協力機構開発銀行の設立を積極的に研究すること、域内の商工企業の交流と協力を推し進めていくことを提案。

以上のように、中国から発した上海協力機構は、元々反米の軍事同盟から出発しましたが、最近では、経済的な協力も志向している状況にあります。


■中国人民元の動向
また、株式日記と経済展望(2009年04月04日)
リンク】には、

・2009年ロンドンで開催された主要20カ国・地域(G20)の金融サミット(首脳会合)で、ロシアが基軸通貨ドルに代わる国際準備通貨の創設を正式に提案。中国もドル基軸体制の見直しを求めている。~中略~ 中露の挑戦で、基軸通貨の覇権争いに火ぶたが切られた。 ・世界最大の米国債保有国の中国と、巨額のオイルマネーを抱えたロシアが突きつけた「反ドル連合」は、インドなど他の新興国を取り込み拡大する可能性もある。中国には、中国経済圏拡大と人民元をアジア地域の基軸通貨に押し上げたいという政治的思惑もあるとみられる。

BLOGOS(2011年12月24日)の記事に人民元に関する以下のような記事があります。【リンク】要点をまとめまてみますと

●中国は、ASEAN11カ国はもとより、オセアニアやラテンアメリカ諸国とも自由貿易協定(FTA)を締結し、同時に各国への投資や借款も積極化しており、物凄い勢いで影響力を拡大。

●中国の通貨『元』をドルに代わる決済通貨として採用する動きもあちこちで始まっています。例を挙げると ①中国の同盟国でもあるイランとは『元』での決済が同意。 ②2010年1月に発効された中国-ASEAN自由貿易協定以降、ASEAN諸国では中国との決済に『元』を使う動きが加速。 ③中国とベトナムとの国境貿易では、ほとんどの取引が元で決済され、中国とミャンマーとの決済でも『元』が使われ始めている。 ④カンボジアでも、元の取り扱いが出来る銀行が増加。ドルやユーロの信用不安も追い風になり、今後更に元での決済が増加の見込み。

以上のように、中国には、中国経済圏拡大と人民元をアジア地域の基軸通貨に押し上げたいという政治的思惑もある中で、最近は、人民元での決済が増加し、世界的に元の信用度は、上がっている状況になりつつあります。


■中国の自由化貿易に対する立ち位置の仮説
さて、ここまで見ると中国は、まさに世界の組立て工場。労働集約型の製品を、元安を武器(意図的に元安を維持?)に輸出拡大の政策が見てとれます。
主要貿易相手国は、NAFTA、EU、日本ですが、今後は、ASEAN、メルコスール、上海協力機構の参加国といった全方位的に世界各国との経済協力関係も強化している状況です。
一方、中国人民元の信用度は、上昇しており、「元」での決済も今後、増加していく傾向も見られ、世界の先進諸国の経済が行き詰まり、衰退していく中で、輸出主導型の政策をとり続けているうちは、あえて、自由貿易を促進していく意味が現段階では存在しないという仮説がたちます。
国内的には、中央と地方の所得格差は開いており、デモの増大やチャイナデフォルトの可能性も示唆されており、国内政策をどうするかといった課題もあるものの、こと経済に関しては成長し続けていく伸びしろは、まだあるのではないでしょうか?


それでは、次回は、続けて中国経済、貿易の戦略に踏み込んできたいと思います。更にTPPに対して彼らはどう見ているのかを探っていきたいと思います。

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